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勇壮華麗な大曲の危険

 

勇壮華麗な大曲の危険

~ピアノ奏法の基礎より~

 

私たち人間のなかには、何か派手で恰好いいもの(聴きばえのする曲)に

魅惑される傾向があるようです。

仕掛け花火が炸裂するような派手な出だしの曲は ひとの好奇心を誘います。

しかし。。。。

その種の曲は、芸術の端正な面から我々をそらせてゆくので危険なのです。

勇壮華麗な奏法とは、豪胆不敵です。

生徒は、聴きばえのする、パッセージをひこうと曲を選びます。

そして、いちかばちかでその曲に挑戦して、からくも成功。。。

すると、生徒は、その成功にこの上ないスリルを感じ、

ほかの大切なテクニックの勉強を無視して、

派手に弾くことばかり練習し、時間を浪費する…。

また、大勢の生徒は、勉強のあまりにもはやい段階で 派手な大曲に飛びつきます。

彼らはツェルニーのエチュードを満足にひけないうちに、

チャイコフスキーの協奏曲を弾きたがるのです。

私(筆者)は昔 勇壮華麗な曲ばかり手がけて、

芸術性の高い静かな曲を、まったくしらない生徒と出会いました。

その生徒は、派手な大曲をひいては身内の者を驚かしていましたが、

真に音楽的な聴衆を相手にする、 

バランスの取れたリサイタル・プログラムを弾くことはできなかったのです。

また、派手な大曲を弾く危険は、生徒たちがそれに必要な

勇壮華麗なテクニックを 音楽のスクラムを組むように、がむしゃらに弾くことです。

そうすると、テンポと音の厚みが迫力となって盛り上がるフレーズの頂点で、

音は不明瞭に混乱し、オクターヴははずれ、トリルは崩れ、ぐしゃぐしゃになります。

実は、その種の曲の理想の奏法はまったくその反対で、

曲がおおきくそびえ、とどろきわたる効果は、

メカニズムの全てが的確に、透明に、澄んできたときにこそ はじめて現れるのです。

 

 




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